The Age of Prayer

The Age of Prayer

The Age of Prayer

Reality is simply what it is. It is simply there. It lies beyond the intentions of human beings – whether for good or otherwise. After the Tohoku Earthquake, what can a single, devastated person do in the face of a mountain of rubble except join their hands in prayer? To their mother, or to their children, or to someone far away. This thing that we call prayer is what binds all of us of the human world together.
The age of prayer.
Using just pencils (10H to 10B), Susumu Kinoshita has constructed a monochrome world of loneliness. While at once stunningly realistic, these drawings of former leprosy patients, of human beings tossed so violently through reality (including poet Tetsuo Sakurai), also push the viewer to consider the question of what lies beyond. Without even joining hands, these stunning drawings of light and darkness are a prayer themselves.
 
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現実は、ただそれとして、そこにある。
人の善意や悪意を超えた場所で。
東日本大震災後、がれきの山を前に1人の貧弱な人間にできるのは、 手を合わせ祈ることだけ。
母を想い、子を想い、遠い誰かを思って。
それは人間だからこその世界との結び付き方。
祈りの時代。

木下晋はこれまで、10Hから10Bの鉛筆を用いてモノクロームの独自な世界を築いてきました。木下に描かれた元ハンセン病患者の詩人桜井哲夫ら、現実に翻弄された人間の姿は、これ以上ないほど写実的でありながら、その向こうの「なにか」を観る者に訴えてきます。たとえ手を合わせていなくても、その光と影で彩られた圧倒的な表現自体が祈りであるかのように。
 
 
木下晋 祈りの時代
2012.7.29 (sun)~ 8.19 (sun)
12:00~ 19:00
SLANT 
〒920-0962 石川県金沢市広坂1-2-32 2F
076-225-7746


木下晋/Susumu Kinoshita
1947年富山県生まれ、東京都在住。16歳のとき、自由美術協会展に最年少で初入選し注目を浴びる。画家の麻生三郎、美術評論家の瀧口修造、本間正義らの知遇を得て、全国各地とパリ、ニューヨークなどで個展やグループ展を開く。1980年に鉛筆によるモノクロームの新たな表現方法に取り組み、10Hから10Bの22段階の濃淡を駆使して精緻な表現で、実母や最後の瞽女と言われた小林ハル、元ハンセン病患者の詩人の桜井哲夫などをモデルとして作品を発表し、モノクロームの光と影による圧倒的な表現で現代絵画に新たな領域を確立する。画家として活躍するかたわら、東京大学工学部建築学科(2008年まで)、新潟薬科大学で非常勤講師(2011年まで)を務め、現在は武蔵野美術大学で客員教授、金沢美術工芸大学で大学院博士課程専任教授を努める。パブリックコレクションとして、富山県立近代美術館、宮城県美術館、湯殿山注連寺、目黒美術館、富山県教育委員会、信濃デッサン館、本間美術館、致道 博物館、町立久万美術館、池田20世紀美術館、新潟市美術館、高知県立美術館、ベネッセアートサイト直島、新潟県立万代島美術館、佐喜間美術館などに作品が収蔵されている。2012年4月、木下晋展「祈りの心」が平塚市美術館で開催され、砺波市美術館(2012年7月)、足利市立美術館(2012年9月)を巡回。
 

EXHIBITION


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