Nanga Parbat

Nanga Parbat

Nanga Parbat

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This was the second time for me to come to this mountain. I had attempted a climb via the new route in August of 2022, but was forced to retreat due to frequent avalanches. In July of 2023, I set out again towards “The Killer Mountain” Nanga Parbat.

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あそこが頂上か? いや違う。今度こそ頂上か? いやまた違う。(中略)
何十回も期待を裏切られた末、ようやく周囲に空しか見えない場所に着いた。(本文より/日本語原文)

ナンガパルバット(標高8126m)はパキスタンに聳え立つ孤峰で、世界第9位の高さを誇ります。現地名ディアミールは「山々の王」を意味し、山岳史に残るさまざまな登攀がこのナンガパルバットで繰り広げられてきました。

写真家・石川直樹が初めて挑戦したのは2022年夏。しかし、大きな雪崩によって第1キャンプが消滅し、テントや装備の一切を流されて撤退を余儀なくされました。翌23年夏、あらためて頂上を目指すことになったのです。

ヒマラヤにはめずらしく、標高4200mのベースキャンプに草花が生い茂り、氷雪のない穏やかな風景が広がります。しかし、ひとたび山の懐に入っると「人喰い山」の異名を持つ巨峰の本性を露わにします。第2キャンプ手前、ディアミール壁をどうにか登り切り、すぐに第3キャンプへ。そこから一気に頂上へ向かう計画を立て、夜通し登り続けます。長大なトラバース、その先の崩れやすい岩の上をひたすら登り、ようやく頂上にたどり着いたのでした。

石川にとって、ヒマラヤ8000m峰14座のうち11座目の登頂。厳しくも個性豊かなパキスタンの山岳地帯の稀有な自然環境とそこに至る苦しみや喜び、麓の村人たちとの交流…。20年以上にわたるヒマラヤとの関わりの中で培ってきた経験を総動員した二度にわたる挑戦を克明に記録したのが、本作『Nanga Parbat』になります。

 

写真集
Nanga Parbat  石川直樹
仕様:H280mm×W300mm
48ページ/ハードカバー
ISBN:978-4-907487-14-0
デザイン:田中貴志
定価:3,300円+税
発売日:2024年11月15日 (Amazon)


石川直樹/Naoki Ishikawa
1977年東京都生まれ。東京芸術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。人類学、民俗学などの領域に関心を持ち、辺境から都市まであらゆる場所を旅しながら、作品を発表し続けている。2008年『NEW DIMENSION』(赤々舎)、『POLAR』(リトルモア)により日本写真協会賞新人賞、講談社出版文化賞。2011年『CORONA』(青土社)により土門拳賞。2020年『EVEREST』(CCCメディアハウス)、『まれびと』(小学館)により日本写真協会賞作家賞。2023年 東川賞特別作家賞。2024年紺綬褒章を受賞した。著書に、開高健ノンフィクション賞を受賞した『最後の冒険家』(集英社)、『地上に星座をつくる』(新潮社)ほか多数。

主な個展に『Vette di Luce. Naoki Ishikawa sulle Alpi Orobie』アカデミア・カッラーラ美術館(イタリア/2023)、『JAPONÉSIA』ジャパンハウス サンパウロ、オスカーニーマイヤー美術館(ブラジル/2020-2021)、『この星の光の地図を写す』水戸芸術館、新潟市美術館、市原湖畔美術館、高知県立美術館、北九州市立美術館、東京オペラシティアートギャラリー(2016-2019)、『K2』CHANEL NEXUS HALL(東京/2015)、『ARCHIPELAGO』沖縄県立美術館(沖縄/2010)など。作品は、東京都現代美術館、東京都写真美術館、横浜美術館、沖縄県立美術館等に収蔵されている。最新刊に『Kangchenjunga』(POST-FAKE)、『Manaslu 2022 edition』(SLANT)など。
http://www.straightree.com

 

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