Gold Rush Alaska Chilkoot Trail

Gold Rush Alaska Chilkoot Trail

Gold Rush Alaska Chilkoot Trail

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© Gentaro Ishizuka

 
Alaska, in the late 19th century, was the place where many veins of gold were found all across the wilderness and white people flocked in droves in search of gold. The mountains in the wilderness which had long been the home to only a small number of indigenous people were cut open by the gold diggers, whose footsteps left tracks on the ground, which eventually turned into a trail. The trail still retains vestiges of the Gold Rush era even after more than 100 years. Those remnants of the Gold Rush are still left there, assimilated into the silence of the forest. If people cannot live without getting something from nature in some way, the Gold Rush era, the time of gold mining, must have been the significant turning point in the history of Alaska. Up until then, people had just lived quietly with nature, gathering berries, fishing salmons, and hunting whales and seals. But then one day they started to make their way into the mountain, in search of gold which they cannot even physically feed on. Then I pause to wonder – what is the purpose or meaning, if any, of shooting those remnants of the Gold Rush, like slipping back in time. At least one thing is for sure, I can set out on a new journey, travelling back in time 100 years. Turning a layer of PIPELINE in modern times, you’ll surely find a layer of GOLD RUSH emerging before you in the land of Alaska. Taking another look at the land of Alaska from such a perspective reveals a whole different side of it. Even the land I thought I knew well through many journeys before. And now I find myself wondering where it will take me this time. The journey has only just begun.

-Gentaro Ishizuka-

 
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© Gentaro Ishizuka

 
19世紀末、アラスカでは、たくさんの金脈がその荒野のいたるところで発見され、金を求めて多数白人が大挙しました。それまで少数の原住民しか暮らしていなかった荒野の山々は、金脈を求める人たちに切り開かれ、その踏み跡が道になり、のちのトレイルになりました。 そのトレイルには、100年以上経った後でもゴールドラッシュ当時の痕跡が数々残されていて、今ではそれらゴールドラッシュの遺物は、森の静寂に同化するようにしてそこにあります。人間が、何らかの形で自然から何かを得なくては、生きていけないのだとしたら、アラスカの歴史の中で金を掘り出したゴールドラッシュ時代とは、大き な転換期であったはずです。それまでは、ただ人々は鮭や、クジラやアザラシを捕まえて、ベリーの実をほおばりながら 厳かに暮らしていただけだったのに、あるときから人は口にすることのできないゴールドを求め山の中に分け入ったのです。時代を遡るように、それらゴールド ラッシュの遺物を撮影することには、一体どんな意義や意味がこめられているだろうか? 少なくとも、100年という時間を遡行する新たな旅に出ることは可能であるだろう。パイプラインという現代の地層を一枚めくると、アラスカという土地には 確実にゴールドラッシュという地層が目の前に立ち現れてくる。そんな眼でアラスカという土地を再度眺めると、旅慣れた土地が全く違った様相で迫ってくる。 その旅は一体、どんな場所へ僕をつれていくのだろうか? その旅はまだ始まったばかりである。

-石塚元太良-

 
 
世界中のパイプラインやアラスカ、パタゴニアの氷河など、様々なテーマとモチーフを選びながら世界中を旅し、精力的に作品を発表してきた石塚元太良。 本展では、アラスカの地に100年以上前から残るゴールドラッシュ時代の痕跡を辿った作品を発表いたします。
 
 
 
石塚元太良 Gold Rush Alaska Chilkoot Trail
2012.1.14 (sat)~ 1.29 (sun)
12:00~19:00
SLANT 
石川県金沢市広坂1-2-32 2F
076-225-7746


石塚元太良/Gentaro Ishizuka
1977年生まれ、写真家。10代の頃から世界を旅行し始め、1999年バックパッカー旅行をしながらアフリカを縦断し、アジアを縦断しながら撮影した『Worldwidewonderful』でエプソンカラーイメージングコンテスト大賞。2002年、世界を東回り西回りで2周しながらデジタル画像の位相を撮影した『Worldwidewarp』でヴィジュアルアーツフォトアワード、日本写真家協会新人賞を受賞。2006年、アラスカのパイプラインを追いかけるように撮影したシリーズ『Pipeline Alaska』の展覧会と同名写真集が話題となる。2011年度文化庁在外芸術家派遣。2012年春、アイスランドのSIMレジデンシーに招聘されて、地熱エネルギーを都市へ運ぶパイプラインの撮影制作をおこなう。来夏には、パイプラインプロジェクトの新しい写真集を刊行予定。また2013年9月にはアイスランドのレイキャビック写真美術館で展覧会が開催される。パイプライン、氷河、ゴールドラッシュなどの特定のモチーフで独自のランドスケープを世界中で撮影し続ける彼のスタイルは、コンセプチュアル・ドキュメンタリーとも評されて、ドキュメンタリーとアートの間を横断するように、時事的な話題に対して独自のイメージを提起している。
http://nomephoto.net/works/gold-rush-alaska/
 

EXHIBITION


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